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【東大生がおすすめする】高校生・大学受験生用 数学おすすめ問題集 ~分野別参考書・問題集~

問題集は様々にあって目移りすることも多いであろう。そんな数ある問題集の中には大きい声では言えないが、あまりおすすめできない書物は数多く存在する。

そんな中から、本ページでは実際に筆者が手にした問題集の中でおすすめできるものを厳選した。同時に難易を付してあるので、初学者の方から大学受験トップレベルの方まで幅広く参考にしていただきたい。

量に関しても★で評価したが、これは単純に問題数をもとにつけた評価であるので、難易度の高い問題集となれば、たとえ量が少なくとも一冊を解き終わるのには時間がかかるということに注意されたい。

 

 目次

 

 分野別問題集

チャート式シリーズ

難易度 ★~★★★

量 ★★★★

出版社 数研出版

新課程チャート式基礎からの数学1+A

新課程チャート式基礎からの数学1+A

 

 いわゆる青チャート。定番の網羅系の分野別問題集である。チャート式シリーズは白、黄、青、赤の順に難易度が上がる。

数学が苦手な人や自学自習をしっかり行う人は黄を一度やってもいい。センター試験レベルだと、白からきっちりとやるのもよいだろう。

分野別学習はこの一冊をこなせば、よほど余力がある場合を除いてほかにやる必要はない。

この問題集の特徴として、解説が非常に丁寧である。数学の試験ではもちろん思考力やひらめきが問われるわけだが、そのなかでも基本となる「型」を覚えておく必要があり、この本にはその「型」がとても丁寧にまとめられている。

最大の欠点は解いていて本当に面白くない(分野別で問題数が多いと陥りがち)。

  

一対一対応の数学

難易度 ★★★

量 ★★★

出版社 東京出版

1対1対応の演習/数学1 新訂版 (大学への数学 1対1シリーズ)

1対1対応の演習/数学1 新訂版 (大学への数学 1対1シリーズ)

 

 「大学への数学」シリーズの基礎に当たる分野別問題集。

難易度は大学入試基礎レベルでそれほど難しくはない。とは言ってもそれは月間大学への数学に比べての話であり、基礎力のない人がチャレンジするものではない。

この問題集の特徴は、大学への数学シリーズ全般に言えることだが解答が非常に簡潔である。

またその多くが一般的な参考書にのっていないような斬新な解き方である場合が多い。数学な好きな人にはお勧めの一冊である。

難点として、ほかのものに比べると少々値段が高い。

 

問題精講シリーズ

基礎問題精講

難易度 ★★

量 ★★

出版社 旺文社

数学I・A 基礎問題精講 四訂版

数学I・A 基礎問題精講 四訂版

 

 分野別問題集の中では比較的簡単である。問題数が青チャートやFocus Goldなどに比べると少なくぎゅっとまとまっているので、初めての一冊としておすすめしたい。

難易度が低いわりに細かい背景を扱っている問題もあり、初学者でも数学が楽しめるような一冊となっている。

基礎問題精講のほかに、標準問題精講、上級問題精講があり、順にレベルが上がる。難関大学を受けるならば標準問題精講までやってから過去問に取り組むべきであろう。

標準問題精講

難易度 ★★★

量 ★★

出版社 旺文社

数学I・A 標準問題精講 改訂版

数学I・A 標準問題精講 改訂版

 

 上級問題精講

難易度 ★★★★

量 ★★

出版社 旺文社

数学I+A+II+B 上級問題精講

数学I+A+II+B 上級問題精講

 

 

Focus Gold

難易度 ★~★★★

量 ★★★★★

出版社 啓林館

Focus Gold 4th Edition  数学I+A

Focus Gold 4th Edition 数学I+A

 

こんな本がいつ出版されたのか。笑 筆者が高校生の時にはあったのかもしれないが全く知らなかった一冊である。

内容はというと基礎から応用まで本当に幅広い。これを一冊完璧にすれば大体の問題は太刀打ちできるだろう。レベルとしては青チャート同じ位のレベルから始まって、もう少しレベルの高いところまでカバーしているといった感じであろう。

難点としては、非常に量が多く、完璧にすれば大丈夫と先ほど書いたが、そもそも完璧に一冊終わらせることが至難の業。量でこの本に勝つものはない。

 

プラチカ ⅠAⅡB、Ⅲ

ⅠAⅡB

難易度 ★★★

量 ★★

出版社 河合出版

理系数学の良問プラチカ 数学1・A・2・B (河合塾シリーズ 入試精選問題集 5)

理系数学の良問プラチカ 数学1・A・2・B (河合塾シリーズ 入試精選問題集 5)

 

 

難易度 ★★★★

量 ★★

ジャンル 分野別問題集

出版社 河合出版

理系数学の良問プラチカ 数学3 (河合塾シリーズ 入試精選問題集 6)

理系数学の良問プラチカ 数学3 (河合塾シリーズ 入試精選問題集 6)

 

 

プラチカは理系用と文系用があるが、文系用としては優れているという話をよく聞く。

文系用は解いていないのでわからないが、理系用には数ⅠAⅡBと数Ⅲの二冊がある。この二冊には大きな難易度の差があるので注意していただきたい。

ⅠAⅡBは比較的標準的な入試問題が盛り込まれているものの、Ⅲのほうにはかなり難易度の高いものが多い。薄い本だがそういう意味で挫折しやすい。

簡単な分野別参考書を終わらせた後に、過去問を解く前にやるのがタイミングとしては望ましいだろう。

 

やさしい理系数学、ハイレベル理系数学

難易度 ★★★★

量 ★★★

出版社 河合出版

やさしい理系数学 三訂版 (河合塾シリーズ)

やさしい理系数学 三訂版 (河合塾シリーズ)

 

 よく言われることだが、まったくもって優しくない。筆者も高校生の時に騙された一冊である。難関大学を目指す人でもオーバーワークな部分は多い。時間がない人などは過去問をやったほうが良い。

ただ読み物としては非常に面白く、複数の解法が示されており、読み応えのある一冊となっている。例題を解くだけでも力がつくだろう。

 

上位互換として、「ハイレベル理系数学」もある。

難易度 ★★★★★

量 ★★★

出版社 河合出版

ハイレベル理系数学 三訂版 (河合塾シリーズ)

ハイレベル理系数学 三訂版 (河合塾シリーズ)

 

 こちらはさらに難易度の高い、鬼のような問題集である。数学が得意でない限り、まったくもっておすすめできない。

こちらも同様に、読み物としては非常に面白い。(改定前はもっと難易度の高いものだったらしい。)

 

 

特定分野の分野別問題集

ここまでは、全分野を網羅的に扱っている分野別問題集を紹介してきた。次に紹介するのは特定の分野に絞ってかかれた参考書である。

時間のない人は取り組む必要はないが、このような問題集は、多くの受験生が苦手としていてかつ受験における頻出のテーマを掘り下げた内容となっているので、苦手としているテーマだけに限らず得意な分野にも取り組み、ぜひほかの人と差をつけてほしい。

 

マスターオブ整数

難易度 ★~★★★

量 ★★

分野 整数問題

出版社 東京出版

マスター・オブ・整数―大学への数学

マスター・オブ・整数―大学への数学

 

 言わずと知れた、名著である。この本を繰り返しやれば、受験に出てくる整数問題のパターンはほぼすべて網羅できているといっても過言ではなかろう。

大学への数学シリーズらしい簡潔かつ直感的な解答で、整数問題のおもしろさをじっくりと味わうことができる。

難関大学では整数問題がよく出題されるが、パターン数が多く、簡単には攻略することが難しいので一冊やってみる価値はある。

初心者が3D制作初めて見たよ、みたいな表紙はできれば差し変えてほしいものだ。

 

マスターオブ場合の数

難易度 ★~★★★

量 ★★

分野 場合の数・確率

出版社 東京出版

マスター・オブ・場合の数―大学への数学 (分野別重点シリーズ (2))

マスター・オブ・場合の数―大学への数学 (分野別重点シリーズ (2))

 

こちらの本が紹介されることはあまりないが、マスターオブ整数に並ぶ名著である。

マスターオブ整数と同様に、場合の数に関してはこの一冊でパターン問題はすべて解けるようになる。整数問題と同様、場合の数も難関大学では毎年出題される。

最後の章末問題には、中学受験の問題を改題した問題も含まれており、執筆にあたって多くの問題を参考にしたことがうかがえる。

表紙については、言うまでもない。

 

ちょっと差がつくうまい解法

難易度 ★★★

量 ★

分野 軌跡・領域、合同式、最大最小、などグラフにまつわる内容

出版社 東京出版

大学への数学 ちょっと差がつくうまい解法

大学への数学 ちょっと差がつくうまい解法

 

 今回この記事を書くにあたって最も紹介したかった一冊である。この本はグラフを用いて解くような問題に対して、知っていると人よりも早くとける、そんなちょっとしたテクニックを集めた本である。

特に軌跡・領域の分野の東京出版ではおなじみの「ファクシミリの原理」についての解説は非常にわかりやすく丁寧である。熟読すれば必ず大きな差がつく。

ただ、問題集というよりは読み物的な側面が強く、問題を解きたい!という人には向かないのが残念なポイントである。

この本を読み、ぜひ多くの受験生に「ファクシミリの原理」を使いこなせるようになっていただきたい。